2006年 06月 14日
拙くて 悔しくて やがて悲しい一戦 |
悔しい。
豪相手に、後半残り10分からタテ続けの失点で逆転負け…。
敗因として、いくつもあったチャンスを潰した
恒例?の決定力不足を挙げる声が多い。
シュートをためらい一瞬のチャンスを逸する悪癖が。
シュートせずに味方へのパスを選んでクリアされる病癖が。
またぞろ顔を出した。
アルゼンチンのあのリケルメ→サビオラコンビの
相手を秒殺するような阿吽の呼吸。
チャンスを嗅ぎ分ける嗅覚。
獲物を狙う“鷹匠と鷹の眼”。
そんなもん、日本には望むべくもないかも。
決定力不足。確かにそりゃそうだろう。
だけど、もっといろんな要素だって考えられる。
とゆーか、つらつらと考えずにはいられない。
試合終了後、悔しさに身悶えしながら
思い浮かんだ敗因をここに列挙してみよう。トホホ…
1.これはサッカーの試合ではなかった?
な〜んて。
野球の国とラグビーの国の対決だったような。
開幕以来ドイッチェラントの空の下で展開される
濃厚な“フットボール”の空気に満ちた好試合を見慣れた眼には、
この一戦、どうにもレベルが落ちて見えてしまったのだ。
欧州や南米の伝統国と闘う場合には相手の実力レベルに引っ張られ
“善戦”できる日本だが、豪州が相手では…。(ヒトのせいにするなっ!)
きゃつらは案の定、ハードな肉弾戦を挑んできたし。
ボールを持ったらばファウル覚悟でガンガン潰しに来ていた。
まぁこの辺、W杯本番なんだから
フレンドリーマッチではめったに味わえない厳しさだろう。
課題の空中戦に関しては、ドイツと練習試合しておいたおかげで
ビドゥカという一線級のゴツいFW相手の不利な闘いを
体をうまく当てて自由にさせずに、よく防いでいたと思う。
後半投入された大男君もあの同点ゴールの時間までは…
だが豪のハードチャージがボディブローのように
日本の体力を消耗させたのは間違いない。
2.暑さ=消耗戦の捉え方
後半になれば暑さに慣れていて持久力に長じた
日本が有利なはず、だった。
実際、後半の半ば頃には豪の疲労は明らかだった。
だがパスで相手を走らせて疲れさせる日本の策よりも
激しいアタリで体力を消耗させるという、
“豪引な”いかついゲームプランが功を奏し
日本は疲れの蓄積が想像以上だったと思う。
そして決定機逸を繰り返すうちにやつらを蘇らせてしまった。
暑さをカウントした消耗戦でも豪が優位に立った。
3. 緊張(あるいは怪我)で普段のチカラが出せなかった。
中村俊輔の動きにキレが無い。らしくないパスミスも多かった。
脚の怪我の影響もあったのではないか。
そして何度もあった右サイドからのチャンスで
どうしたことか駒野のクロスの精度は眼を覆いたくなる程だった。
一度でも質のいいボールがタイミングよく入っていれば…。
相手DFの高さを過剰に意識したのかもしれない。
この辺はずっと控えだった彼の海外経験の不足が原因だろうか。
相手はJの感覚よりかなり高い守備陣なのだから。
流れるようにパスが繋がった場面も何度かはあったが、
あのドイツ戦の高速連携ダイレクトパス攻撃は影を潜めた。
…スペースが無かったのもある。
4.ヒディンクの選手交代の妙技にやられた。
交代選手が必ず点を取る、あるいは点に絡む、ヒディンク=マジック。
その種あかしは 金子達仁氏のコラムに詳しいが、
ケーヒル、アロイージ。2人にわずか10分で3点を叩き込まれてしまった。
交代後のマークやシステム変更の混乱に乗じて
点をもぎ取る采配にしてやられた…。
くぅ…さすが百戦錬磨。試合をマネージさせたら天下一品だ。
5.小野を使った理由は?
対してジーコ監督。
小野の交代の理由。
あの時間帯、互いに縦に急ぐ傾向が強くて
豪にゴール前まで簡単に運ばれていた。
最終ラインがいつまで持ちこたえられるのか、
危険な兆候があったと思う。
中盤でボールの落ち着き処が無かったから
小野を入れて彼のボールキープとチェンジ・オヴ・ペースに
期待したのだと思っていた。
だがしかし。
小野はいつものようにポンポンとダイレクトではたいて
攻撃のリズム生もうとするばかりでボールを持って
試合を落ち着かせようとするプレーはなかった。
ゴール前でFKを与える機会が増え
それが同点劇の伏線だったと思う。
結果論だが
お互いバテてきてる時間帯なのだから
1人で勝負出来る玉田を入れてスピードあるドリブルで
サイドを切り裂くとか…。
あるいはDFラインの前に稲本を入れて肉弾勝負を盛り返し(笑)、
奪ってすぐ馬力あるドリブルを仕掛けるという
彼のプレーに賭けてもよかった。
相性のいい柳沢とのコンビにも期待出来たし。
大黒の投入にしても
あの時間では何も出来なかった。
キーパーチャージまがいのプレーでゴールに吸い込まれた
あの幸運な、なけなしの1点を守って勝つのでは
フットボールの神様は許してくれなかった、ということだろうか。
このままだと
日本代表はスパーリングパートナーには
ちょい骨があっていい相手だったな、
程度の評価で終わってしまうだろう。
ホンマにええんか、それで?
※この試合の数少ない
ワールドクラスのプレー!
ビドゥカが前半に一度
ヒールで出した絶妙のポストプレー。
日本を絶対絶命のピンチに晒してくれた。
川口が素晴らしいセーヴで防いで助かったものの。
やはりビドゥカ、他の選手とはモノが違う。
4年前の全盛期ならどんなに凄かったろう。
それはキューウェルにも言えることだが。
by footle
| 2006-06-14 00:42
| 2006GERMANY